もう少し醜かったら。もう少し目立たなければ。
ルピナスを見かけるやうに成ったのは、ふた月ほど前のことだ。
すらりと伸びる脚に、紫の髪飾りをたたえた長い髪。
そのシナプスの根には、暗澹を見た。後ろ暗いとでも言うのか、ハッピー・クラッピーの対極の様を呈した。
ルピナスに対して、私は全く以て聾唖である。ただ眺めるのみ。
いつしか、自らの生のやるせなさを、その姿に投影していた。
けたたましい音で床を這い出る。人工的で、著しく不快なる音。
いわゆる一種の野次馬になって、音の方向へレンズを向ける。
斃れるルピナス、私はただ、恐れるのみである。
公務員の格好をした悪魔が、鎌を振り回し、無慙にもルピナスの息の根を止めた。