課金ボタンを押した後、ふと自分自身に課金していきやすくしていった方がよっぽどいいのではないかと思った。ドライな観点の一般論でいえば、本当に資源を費やすべき対象は自分自身だ。
しかし今更自分自身に課金して、見てくれが良くなったところで、生活や環境はなにも変わることはないだろう。発泡酒がビールに変わり、スーパーの半額寿司が回転寿司に変わっても、結局明日も明後日も仕事であることに何ら変わりはないのだ。
こんな考えに陥る日がたまにある。しかし突き詰めていくと”存在の不自由”とか”生きている理由”なんてつまらない哲学議論に脳みそが支配されてしまうから、あまり考えずに、あまり考えずに、と念じることしかできない。
時たま感じるこんなメランコリーをごまかすために、また課金をする。もう足を突っ込むとかいう話ではない。今更抜け出せないし抜け出しても待っているのはただのだらしない生活だ。
今はそんなことを考えながら、考えないように、”無心で”画面をタップするだけだ。
