サラリーマンで生きるということは、大喜利で答え続けることと似ている。
上司や部下、取引先や下請け、との会話、ご機嫌取りで、常に正解を出し続けることが要求される。100点の解答を常に出し続けられるなら、起業しても確実に成功するが、容易くはない。せいぜい審査員を10人中6人笑わせられる程度だ。
上司にはどうすればいいの?
60点の解答で生きていく、とする。まずは上司の50点の解答をめいいっぱい褒めちぎろう、ムカつくなら褒め殺したって構わない。褒め殺しは刑法の抜け穴だから。
部下にはどうすればいいの?
部下が出してきた80点の解答にケチをつけよう。「ここをこう直したらな~。」と、テレビの情趣がない俳句添削ババアみたいに無理やり難癖をつけて批判しよう。
取引先にはどうすればいいの?
取引先には自分が"40点"の人間であることをしきりにアピールしながら、プレゼンテーションや商談では"60"点を出そう。そうすれば、取引先はその「落差」に翻弄されて、「60点」ではなく、「80点」と錯覚して、大抵のことはうまくいくだろう。
「落差」ってなあに?
「落差」が大事なのである。大喜利でもそうだ。一つ目のお題ではわざとつまらない解答を出したり、見た目も「美しくて、オシャレ、馬鹿そう」にするなど、「落差」の点数稼ぎがある。本人が60点の解答を出しても、審査員は80点であったり、あるいはそれ以上に錯覚して、点数をつけてしまう。
本当のサラリーマンの生き方の手本は、ビジネス書でも自己啓発書でもなく、夕方の落語番組にある。