正確な答へを求めない人間。創造と破壊の束の間。
栄光、あくせく働いた人間のうち、ふるいに残った者のみが与えられる勲章。
死刑囚、生かされも殺されもしない人間。
怒ることも悲しむこともなく、只其の面に平穏を被る。
聾唖白痴、奴隷弱者のやうに丸めこまれるもの。
感情を述べる口さへ、ノベルにする知能すら持たない。
主義主張を持たないことを晒すまい、と賛成でも中立でも無い、永世中立のやうな軟弱をつらつらと話す為に、製造され続ける大量の椅子。
ただ、己の平穏のため、戦いは危険なもの、と”社会的動物本能”でのみ決めつけ、
如何なる事由があれ、いかなる自分であれ、対立が生じてはなるまい、と
勝ち負けは残酷だ。なぞと”あくまで猜疑”の体を、いつでも受け身が取れるやうに取り
防衛と挑戦の格闘さへ忌避する有様である。
人間と云ふ動物に深く這入る宵は、尽く尽く帽子、その紫ように厭気が差す。
日ノ本には、今日も肌を灼く光線が刺す。