騾黒愛(Lark roa)

larkroa@gmail.com

紫の人間

 正確な答へを求めない人間。創造と破壊の束の間。

栄光、あくせく働いた人間のうち、ふるいに残った者のみが与えられる勲章。

死刑囚、生かされも殺されもしない人間。

 

怒ることも悲しむこともなく、只其の面に平穏を被る。

聾唖白痴、奴隷弱者のやうに丸めこまれるもの。

感情を述べる口さへ、ノベルにする知能すら持たない。

主義主張を持たないことを晒すまい、と賛成でも中立でも無い、永世中立のやうな軟弱をつらつらと話す為に、製造され続ける大量の椅子。

 

ただ、己の平穏のため、戦いは危険なもの、と”社会的動物本能”でのみ決めつけ、

如何なる事由があれ、いかなる自分であれ、対立が生じてはなるまい、と

勝ち負けは残酷だ。なぞと”あくまで猜疑”の体を、いつでも受け身が取れるやうに取り

防衛と挑戦の格闘さへ忌避する有様である。

 

人間と云ふ動物に深く這入る宵は、尽く尽く帽子、その紫ように厭気が差す。

日ノ本には、今日も肌を灼く光線が刺す。