騾黒愛(Lark roa)

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此の瓶の中で、生き残らなければならない。殺されてもならない。

 

共食いから逃れて、血塗れの瓶の渦中で、高い壁を登ることも出来ずに、

只々丸くなるのみ。

 

此の身に宿した毒は、何の為なのだろう。他の者を殺す気もない。

何処にも吐き出せない、毒。

瓶の底でまた誰か呻いている。唸っている。命を乞うている。

次々に数は減っていく。強者の毒はさらに猛る。

我は只独り、独で毒を蓄えていく丈けだ。

誰かを蝕む為の毒でなく、不用品として。