騾黒愛(Lark roa)

larkroa@gmail.com

インスタント・ミュージック

 バンドといふ物は、消え失せた。やれ天才ジャリタレや、天才合成音声屋なぞがごちゃごちゃと、底の底で吸い殻のやうに燻っているのみである。

「アニメの主題歌」「映像作品の主題歌」、何かに縋らないと有名にでもならない。

レコードショップは閉業、ライヴハウスは畳まれ、音楽はファッションに成り下がった

忌野清志郎も、ブルーハーツも二度と新しく生まれない。

音楽を聴いているのは一部の私のやうな好事家のみで或る。

 

 サムネイルに金を払う作曲者。MTVさながらで見るに堪えない。見てすらいない。

本当にインファイトで音で殴り合えない人間に、ミュージシャンを騙る資格すらない。

マリオネットのやうに若女を動かし、歌わせる。奴隷制度と何が違うのか。

更には、作品と人間の区別が出来ていない人間が増えすぎている。

 

 顔がいいから聴く、発言が嫌いだから聴く、好きなアイドルだから聴く。

いったいどんな悪魔崇拝を経たらそうなれるのであろう、全く不可思議で或る。

もう沢山だ。年長者が生きて、若輩者が死んでいく。

まったく無様である。

ジャリタレの弾くhollowな曲が、熟練者のリアルなブルースを汚している。

音楽をレイプしている。

一曲だけ売れて、直ぐに消費されていく。

ポットヌードルだ。三分間だけ聴いて、それっきりだ。

すぐゴミ箱行きだ。もう辞めて呉れ。

同じやうな、個性も糞もない、ただの絵が歌う、誰かが描いた絵の世界。

くだらない。なんの攻撃力もない、誰にも嫌われない、

ソーメンのやうな歌声ばかり。

カラオケで一生歌って置け。

サーカスでも始めればいいだろう、大ペテンどもが。